「ご成婚」直前情報
あと2週間あまりでフィリッペ皇太子の結婚式だ。
昨日、日本の新聞を見ていたら12日に日本の皇太子がデンマークの皇太子の結婚式に参列するためヨーロッパ外遊に出発・・と書いてあった。ついでにポルトガルとスペインも訪問される・・というニュアンスだ。ちょっと!冗談ではない!!5月22日にはフィリッペ皇太子の結婚式があり、それに参列されるためにスペインに来るのではないか!デンマークの結婚式と同様に扱っていただきたい!
と、スペイン在住の私はスペイン側の見地からこう思った。
4月の中頃から街中におまわりさんを良く見かけるようになった。
交通整理はもちろん、一つの通りを何人もの警官がパトロールしている場所もある。また外国人に対して身分証明等の表示を求める事も多くなったようだ。
これらはすべてスペイン国内外のテロを警戒しての対策だと思われる。
皇太子の結婚式には国賓が集まるのだから、より以上に警戒しているのだろう。
1週間ほど前にうちのすぐ近くでなにやら騒ぎがあったらしい。
夕方、息子と買い物に行った帰りに私達をけたたましいサイレンのパトカーと白バイが追い抜いていった。私達の家のすぐ脇の道にパトカーや白バイが止まっていて、建物の入り口に警官があわただしく入っていった。その回りを数人の見物人が遠巻きにしている。ミーハーの私は「ちょっと、見ていこう」と立ち止まった。10分ほどうろうろとしていたが、誤報だったのかパトカーは次々に帰って行った。
何があったのかはわからないが、ふだんより物々しく機敏な姿にちょっとびっくりした。
皇太子の結婚式が行われる王宮も、今は観光客の立ち入りも禁止しているそうだ。
さっきも書いたが、スペインにいる私はスペイン人と同じで、この結婚式は、最大の関心事の一つだが、もしかしたら日本では大したニュースでもないのかもしれない。
でもスペインではご成婚ムードが高まり、お二人のポスターがいたるところに貼られている。またニュース番組を見ていると、毎日何かしらのお二人の様子が映っている。
今日の朝のニュースでは、アトーチャ駅で起こったテロの被害者の方々に、二人で献花をする様子が映っていた。レシティア嬢は婚約時より少し髪が伸びてスリムになったような気がする。やっぱり結婚前なのでエステのブライダルコースに通っているのだろうか・・と思ったが、そんな下々のようなことはしてませんよね。専属のエステシャンが通ってくるのだろうか。
ところで、レシティア嬢のプロフィールが載っていたので日本の方々にも興味を持っていただくためにちょっと書いておきます。
彼女は身長175cm、洋服のサイズは36−38、これはスペインでは一番普通のサイズだから日本だと7−9号くらいの感じだろうか。ただし日本人とスペイン人とでは体格に差があるので、日本のサイズよりはちょっと大き目かもしれない。プロフィールの中にはもちろん体重やスリーサイズの記述はありませんでした。目の色はエメラルドグリーン、髪はブロンズがかった栗色。趣味は読書で仕事(ニュースキャスター)中毒だったそうだ。音楽はワーグナーにチャイコフスキー、ピンクフロイドも好みだそうだ。
他にもメタルアレルギーなのでプラチナ以外のアクセサリーはつけないとか、シンプルメークを好み体型維持のためにフルーツと水分を欠かさないそうだ。
さらに私が一番興味深く読んだのは、前夫アルフォンソ氏とのいきさつだ。
アルフォンソ氏は彼女の高校時代の文学教師だったそうだが、10年の交際を経て結婚した。同時にこの年、彼女はものすごい競争率を勝ち抜いてニュースキャスターになったそうだが、担当が早朝4時半という時間帯、2時半起床の生活にはじめは付き合っていたアルフォンソ氏と翌年には離婚に至った。
ある雑誌によると「彼女のジャーナリストへの野望が結婚生活を打ち砕いた」そうだ。
その時の結婚写真をめぐって、某外国マスコミが法外な値を付けて版権の買取交渉に入ったそうだが、彼女(もちろんスペイン皇室)の懇願、所有者の良心によって公にならずに済んだそうだ。
ところで、この「知りすぎた男」アルフォンソ氏は文学教師であるとともに小説家だそうだが、今まで日の目を浴びなかった彼の本が売れ始めているとか・・一体どんな内容の小説なのだろうか。
今度本屋に行って題名だけでも見てこようと思っている。
そうそう、国賓として来西されるわが日本の皇太子は、大使公邸ではなくホテルにお泊りになるそうだ。また大使公邸でお食事をされるそうだが、その時何を召し上がるかは大使公邸の板前さんに教えてもらえる事になっている。大使公邸の板前さんとはお友達なのだ。それにしても雅子妃がご一緒でないのは残念だ。日本でも皇太子が「一人で出かけるのは後ろ髪を引かれる思い」と話したそうだ。いまだ雅子妃に対していじめがあったとかいう報道も日本の新聞で見かけた。スペインでも貴族のじいさんが「レシティアが髪を触り過ぎ」とか「皇太子の左側ではなく右に立つのが慣例」だとか細かいチェックをしている。これはいじめではないだろが皇室の一員になるのは大変な事だろう。
皇太子妃になるには、知性や美貌などと同時に体力と根性も必要そうだ。
最近、デパートやお土産やさん、キオスコでもご成婚グッズを見るようになった。絵葉書、絵皿、キーホルダーをはじめちょっとした小物には二人の写真がプリントしてある。婚約指輪を模したものまで売っている。どれも同じ写真のうえ、技術を駆使してまで作ろうと思っていないようで、どれも大した事はない。
日本だったらひなびた温泉にありそうなおみやげ、という程度の出来だ。
それでも私が「今しか手に入らないからコレクションしようかなぁ・・」と息子言うとに「好きにすれば」とあきれられてしまった。
でも、ご成婚の日、5月22日は私の誕生日でもあるのだ!これってすごい符合ではないか。日本人の私がスペインの皇太子の結婚式をまじかに見ることが出来て、その日が私の誕生日だとは・・おまけにキオスコで売っている絵葉書には5月22日と日付まで入っている。
すでにこの絵葉書は森津先生に送りました。実は、わりとミーハーな部分のある森津先生はさっそく喜んで(?)「着きましたよ!」とメールをくれた。
最後になりますが、5月22日のご成婚スケジュールは、まず新郎新婦はパティオ・デ・アルメリアを通って王宮横にあるアルムデナ大聖堂に入場。結婚の儀の後、バシリカ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・アトーチャ(これもベルの大聖堂)までパレード。最後にこのバジリカの聖母像にブーケを捧げる。
この間に各国の国賓(もちろん日本の皇太子も)は王宮のサロンでカクテル、新郎新婦が戻ったら王宮中庭で記念撮影。その後、王宮の「王子の中庭」(そうフィリッペ皇太子用の庭ってことですね)で昼食会が催されるそうだ。細かいタイムテーブルはそのうち新聞で発表されるだろう。
ところで今夜はスペイン皇室の特別番組を放映するそうだ。今日は通訳(息子の事)つきでこの番組を見ようと今から楽しみにしている。
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