森津先生の占い

今年は新年早々、いやな事ばかり続いた。

まずは失業! 
昨年1年は仕事に追いまくられ、始めてからすぐに感じていた違和感を
拭い去ることができずにどんどん疲れが溜まって、
仕事に関しては思考能力ゼロだった私・・。


いろいろな諸事情もあり、1月早々に退職することになった。

「わー、もう仕事に行かなくっていいんだ!」と思ったときは、
マドリッドの町がいつもの数倍も明るく見えたくらいだ。
そんな頭の中の躁状態とは裏腹に体は無理がたたっていた様で
まったく動かなくなっていた。

半月もたち、ようやく体も動くようになってきて、森津先生にメールで
「今、ついてないんだけど暇なとき占ってください」とメールを送ってみた。
先生は忙しい中、四柱推命と西洋占星術でしっかりと占ってくれた。


すると、なんと私は去年と今年は天中殺の上(四柱推命)、
昨年は私に悪影響を及ぼす星が頭上にあった(西洋占星術)
というものすごい年だったそうだ。


ただ、天中殺は続くものの、悪い星回りはなくなり、
今年からはだんだんと良い方向にむかうそうだ。あーよかった!!


私はもともとあまり占いを信じるほうではないが、雑誌などの占いは
つい見てしまう。


ただ、良いことが書いてあると「やったー」と思い、
悪いことが書いてあると「これ当たってない」とすぐ忘れるという程度のものだ。


以前、先生のクリニックに居たころは、先生が占いに凝っていた時期が
あるとかで、先生がお友達や、たまには患者さんの占いを
してあげているのを見ていた。

傍目で見ていてその占いが結構当たるものだから、
私はちょっと怖くなって意識してあまり自分を占ってもらったことはない。
なにしろ、悪いことを言われたらショックを受けそうだったからだ。


だが、今回は別だった。「最悪ですよー」と占われたわけだが、
なんだか気分はすっきりしていた。


「なーんだ。去年のいろいろなことはだれが悪いのでもなく、
運がわるかっただけか。」と考えることができたからだ。
それに今は悪い年であっても、もう半分以上は過ぎたわけだし、
最低のところよりは上ってきたわけだから、今までよりは楽になるはずだ。


一度そう思ってしまうと気楽なもので、私は今までできなかったことをし始めた。

さぼってやっていなかったスペイン語の勉強をしたり、
ずっと会っていなかった友達と食事に行ったり、
家で大好きな料理を作ったりすることだ。


そうしてみると、なぜかいろいろな人達と知り合うことができて
自然と仕事の話もうまれてきたりして、私のスペインライフはかなり充実してきた。


そう、今回のことで私はこれから先、スペインで生活していこうと強く思った。

「失業したから、やっぱり日本に帰らなくちゃ」
とはなぜか思わず、スペインで長く生活するためには
自分の時間を優先させよう、自分が本当にしたいことをして行こうとおもったのだ。


この前、久しぶりに友人のスペイン人ヘススにばったり出会った。

「どう、元気? 」
「うん、でも仕事を辞めちゃって、今は失業者なの」
年金生活者のヘススは
「そりゃいい!今は最高だね。うんと楽しんでおきなよ。
失業者と年金生活者万歳だ。」と私の肩をたたいてそう言った。


そうこうしている内にもう3月。

新しい生活もめどがつきそうでやっと春がきたようだ。