子連れの外食

スペインの食事時間は、日本とだいたい2時間くらいのずれがある。
朝は別として、昼は2時ごろ、夜は10時ごろが普通だ。
レストランは昼1時半ごろ、夜は9時過ぎにオープンというのが多い。
そうすると朝9時から仕事の場合(これは普通)、昼までに
おなかがすいてしまう
が、それはそれでスペイン人は10時ごろに
2度目の朝食を食べたりする習慣もあ
る。

ところで私は食べるのが趣味というか食い意地が張っているので、
外食にもとても興
味がある。
高級なところはめったに行かないが、町を歩いていて気になるレストラン

バルがあるとチェックしておく。
で、たまに友達と出かけたりする。


ところが、急に思い立って「今日は外で食べよう」というとき困るのが、
子連れのと
きだ。息子は平日は学校で給食を食べているので、
日本より少し遅めの昼ご飯になる
が、登校時間も遅いし、
あまり問題はない(学校で許されているのでお菓子を持って
いくこともあるし)。
ところが、平日は夜は10時ごろには寝てしまうので、
夕飯は
7時、8時くらいに食べていて、レストランの時間帯まで待てない。
週末は息子と外
食する時間もあるわけだが、スペインではレストランで
あまり子供の姿を見ない。

まったく・・というわけではないが、珍しい。
これは夜に限ったことではなく、昼間
も同じだ。

息子はあまり騒がしいほうではないが「どこに出しても恥ずかしくありません」
とい
うお坊ちゃんでもないので、今まで子連れでレストランに入るのを
躊躇していた。そ
んな時、日本だったら手っ取り早いのがファミレスだと思う。
でもスペインではファ
ミレスなんて見ない。
もっとも最近は、VIPSという1日中営業しているコンビニ
とファミレスの
合体したようなチェーンがずいぶんあちこちにできたがこれが結構高
い。

マドリッドの場合、その辺のバルやカフェテリアなら、何の心配もなく
子連れで入れ
るし、そこそこの料理もある。
例えば、「ムセオ・デル・ハモン」は各種の観光ガイ
ドにも載っていて
マドリッドの中心地に何箇所かある。
ワインやビール、飲めない人
はモストと呼ばれるグレープジュースを頼むと
スペインのハムやソーセージの切れ端
(といってもかなり分厚い)を
つまみに出してくれる。

二階に上がれば座って食事も
できるし、私たちはお買い物の途中で
いっぱい飲んだりしてよく利用する。
何よりい
つも混んでいて活気があるし、子供がいようが気にしなくてすむからだ。
また、観光
客の多い場所なら少々割高だが、子連れだろうがなんだろうが
別に気にする必要はな
い。
言ってみれば治外法権のようなものだ。
でも、スペインで生活していて貨幣感覚
もすべてスペイン化されてしまうと
そうはいかない。


で、よく利用するのが中華レストランになる。
日本食の好きな息子も中華ならいつで
もO.Kだ。
その手の店はそこここにあるし、たいがいは一般のスペインレストラン
より安い。
味付けは日本の中華とは違うが、全体的にまあまあだと思う。
家の近くに
ある中華レストランは中国人客が多い。
よく見るとメニューにないおいしそうなもの
を食べているので、
あるとき「これ以外のメニューはないの?
中国人の人が美味しそ
うなもの食べているじゃない」といってみたら
中国語のメニューを持ってきてくれ
た。
ねほりはほり質問してみると、その内容はだいぶ違っていた。
その日は店の人と
相談してあれこれ頼んでみたのだが、
本格中華家庭料理・・という感じで満足した。


それから日本食レストランに行くという手もある。
最近スペインは日本食ブームでず
いぶんレストランができたようだ。
日本人の他に中国人の経営や韓国人やフィリピン
人の人も働いているらしい。
ただ、だいたいにおいて日本食は高い。
高級をうたって
いるところをはずしてみても、日本での相場を
知っているものだから「許せない」値
段や内容だと感じることが多い。
私は特に日本食がなくても困らない体質なのであま
り行った事はないが、
たいていは食後にフラストレーションが溜まる。

その中で「川
原」はなかなかヒットだった。
味、量、質そして値段もよかったし、どこに行っても

感じるスペイン風日本料理の感じがしなかったからだ。
息子は「寿司」とか「マグロの
づけ丼」なんていうのをメニューで見て
大喜びしていた。

 この前、ご主人が日本人のアナと話していて
「アナのうちはどうするの?子供連れ
の食事のときは・・」と聞くと
「あのね、そんなときは、子供には家でなんか食べさ
せてベットに行かせて、
夫と二人でレストランに行くのよ。そうじゃなかったら
おば
あちゃんに預けるか、子守りのバイトを雇う」のだそうだ。

これを読んでくださった方、今度は子連れじゃないときのレストランも
お教えします
ね。

私の場合、少々、地元ネタになりすぎるきらいがありますが。