柴犬ルナ子のひとりごと

2007年 <その1>

2007年6月13日
 最近ルナ子はちょっと災難続きです。

 近所の人から「芸も出来ない、言うことも聞かないダメわんこ」と言われるし、看板犬として掲載された雑誌では、知らないうちに「愛犬が痴呆になったら…」というコーナーで写真が使われるし…。

 姉たちはため息をつきながら、
「まあね、ルナちゃんは憑依犬だから、私たちといるときには大人しいけれど、じいと散歩のときには別犬のように,、”わからんじん”になって騒ぐらしいしね…。
 それに、最近じゃ、痩せたせいか、年のせいか、夏になったせいか、毛が抜けて貧相なお顔付きになっちゃってるし、取材の時は超不機嫌でカメラ目線ができなかったから、ボケっぽい顔って言われりゃあ、否定もできないけどさあ…」
 と言いながら、がっくりモード。

 ちょっとちょっとお! いくら飼い主だって、ちょっと酷いんでない?
太ってるときは、さんざんデブ呼ばわりして、痩せたら痩せたで、貧相って、そういういい方はないと思うわ!

 でもね、私は心が広いわんこだから、誰になんと言われようと平気よ。
 姉たちのように、人の言葉や動向で一喜一憂していたら、身も心も持たないわよ。
 ルナ子は貰うものさえ貰えれば、何言われても平気で媚びが売れるのよ。
 世の中生き残っていけるのは、私のような強いわんこなのよねっ!
2007年5月25日
 新緑がまぶしい季節ですね。

 我が家では純子姉が健康にいい新しいメニューの開発に凝っているらしいの。
 ただ、時々変なメニューが出てくるもんだから、家族のみんなは時々、「やれやれ今度は何が出てきたんだろう」と思っているらしいわ。
 でも、体にいい食生活をすることは大事よね。
 
 ルナ子もすっかりその影響を受けて、最近は、新鮮な葉っぱのサラダを食べるのがお気に入りなの。
 一番好きなのは、もぎたて、取り立て、無農薬の桜の葉っぱよ。

 でもね、ルナじいはデリカシーがないから、私は桜の葉っぱなら何でも食べると思ってるのよ。
 「違いのわかるわんこ」の私は、もぎたての桜の葉っぱじゃないと嫌なの!
サラダは新鮮さが命なのよ!
時間が経つと、香りも味もどんどん落ちちゃうんですもの…。

 健康な体は、健康な食生活からよねー♪

2007年5月14日
 お久しぶりです。ルナです。
 すっかりご無沙汰しているうちに、初夏の陽気になってきましたね。

 ルナ子はここのところ、災難続きでした。

 最近、暑くなったものだから、玄関や窓を開けていることが多くなって、ハエが家の中に入ってきたの。
 私は虫がだーーーいっ嫌いなの!
 だから、「虫よ、虫! 出ていきなさいよー! 」と必死で追いかけているうちに、行ってはいけない二階に行ってしまったの・・・。
 最初はそれでも、玄関が開いた途端に、ダッシュで階段を駆け下りて、知らんぷりしていたんだけど…。

 二回目が悪かったわ…。
 入った部屋の天窓が開いていたもので、風で扉が閉まってしまったの!
「きゃー、うそー、マジー?! と、閉じ込められちゃったわよぅぅ! 
しかも、この部屋、純子姉の部屋よ!! まずいわよ、まずいわよ、ぜったいまずいわよー! 」
と焦ったけれど、無力なルナ子には、なすすべなんてないのよね。
ただ部屋をうろうろするだけ…。

そのうち、二階は日差しが強くなってきて、ほとんど、車の中のような蒸し風呂状態。
「うう…。暑い…。地獄だわ…。
 みんな、いつ帰ってくるのかしら…。
帰ってきても、じいだったら、私がいないのに気づいてくれないかも・・・。
誰にも気づいてもらえなかったら、このまま、車に置き忘れられた子供のようにここで死んじゃうのかしら…。
そんなの辛すぎるよー…。
ああ、でも、でも、最初に帰ってくるのが純子姉だったら、めちゃくちゃ怒られちゃう!!
それも超怖いかも!
ルナ子、絶体絶命…!」

しばし嘆いていたら、幸か不幸か、最初に帰ってきたのは純子姉だったわ・・・。

もう、一か八かで、扉が開いた瞬間、脱兎のごとく飛び出して一階まで駆け下りたけど…。
やっぱり、死ぬほど怒られたわ…。
私も悔しいから、
「本当に愛のある飼い主だったら、怒る前に「暑くて大変だったでしょう? ルナちゃん無事でよかったわ」の心配の一言くらい、言ってよ! なにもそんなに怒らなくてもいいでしょう!」
って、睨みつけたの。

 でも、純子姉の方が、さらに上手だったわ。
「あんた、誰に向かってガン飛ばしてんのよ! ナマ言ってるんじゃないわよ!!」
って、首根っこ掴まれて、すごい気迫で睨みつけられちゃったわ…。
こういうときの純子姉って、やくざの親分も真っ青って感じなのよね…。

 でも、ま、死ぬほど暑かったから、助かったー!!

 でも、でも、災難はこれで終わらなかったのよ。
 
 数日後に、「ルナちゃんの取材」という名目で、無理矢理「ひまわり(正確には、グラス・アルペンローゼの方)」に連れ出されたの。
 なんでも、6月発売の「シバイヌ・ファン」という雑誌に、「ガラス工房の看板犬紹介」って形で載るんですって。
 でも、でも、私は「ひまわり」はたまに遊びに行くところで、長居はあまりしないのよ。知らないところに行くのはすっごくストレス!!

「ねえねえ、早く帰ろうよぅぅ」
って、私が訴えているのに、姉たちってば、
「もう少し協力して。ね?」
と、知らんぷり。

だんだんイライラが募ってきて、全身痒くなってきて、
「かゆーい! 超ムカつくって感じぃ!!」
と、体中を掻きむしり始めたら、姉たちってば、
「ルナちゃんって、腹が据わっているかと思ったら、案外デリケートなのね。
萌ちゃん(純子姉の友人の柴犬よ)は知らない家に預けられても平気だけど、あんたは、よそにお泊りしたら、一夜にして、十円ハゲだらけになりそうねー」
なんて、のんびり言ってるのよ! 

 わかってるなら、早く家に帰してよっ!!
 
…結局、2時間も姉たちに付き合わされて、ほんっっとに疲れちゃったわ。
もう、二度と、「ひまわり」なんて行かない!!!

…でも、チーズが欲しいから、長居しないなら行ってもいいかな?
2007年3月21日
もうじき桜が咲く・・・というのに、東京は真冬並に寒い日が続いています。
寒がりのルナ子は辛くて辛くて・・・。

「みんな早く起きてよぅぅぅ! 早く暖房入れてってばーー!」
と毎朝おねだりしているのに、純子姉ったら、寝床の中から、
「ルナちゃん、朝早くからうるさい! まだ、起床時間じゃない!」
って、怒鳴るのよ!
そりゃあ、純子姉はあったかいお布団の中にいるからいいかもしれないけど、寒ーい玄関でしのぎを削っている私の身にもなってよー!
ほんとに、気の利かない女ねー。

それに比べて私ってば、超気の利くワンコなのよ。
この間も姉達が真剣にテレビを見ている時に、ルナじいから、
「どうした? もっと、ワンワン言ってみろ!」
と言われたんだけど、おとなしくしてたもん。
こういうときに、じいに誘われたからといって、ワンワン大騒ぎすると、絶対、
「ルナちゃん、うるさいっ!」
って、私がとばっちりを全部受けるんだから・・・。

じいは場の空気を読んで行動するなんて、全くできない人だけど、ルナ子は場の空気の読めるワンコなのよ。えらいでしょ?

ちなみに姉達は最近、「チェオクの剣」にハマってたのよ。
もう終わっちゃったけどね。
「男性陣がなかなかいい!」なんて珍しい感想を述べていたわね。
でも、熱しやすく冷めやすいタイプだから、一ヵ月もすれば忘れているに違いないわね。
ふふふ・・・。
姉達の性格がよーくわかっている賢いワンコなのよ。わ・た・し♪

2007年2月16日
 ルナのお家では梅が満開♪
 ひまわりもミモザが咲き始めて、早くも「春到来」って感じです。

 ところで、この間、面白いことがあったのよ。
 朝の散歩の時に、酔っぱらいのおじさんに遭遇したの。
 案外怖がり屋の純子姉は、
 「あのタイプの人は、怒らせると怖いのよね」
 とビクビクしていたんだけど、私は、
「強面だけどいい人そうよね♪」
とシッポふりふりしながら、傍に近づいてズボンの裾をクンクンしてみたのね。

そしたら、おじさんったら、大声で、
「お前は、男か、女か? そっか、女か! よしよし」
っていいながら、背中をバシバシ叩くのよ。

一緒にいた純子姉は超ビクビクしていたけど、ルナ子は、
「バシバシ叩くのがおじさんの愛情表現なのね♪」
とわかってたから、ちょっと痛かったけど、ずっとシッポふりふりしてたの。

そしたら、おじさん、今度はおもむろにポケットからハサミを取り出して、シャキシャキって、動かし始めたの!
純子姉はもう、真っ青になって、フリーズしちゃったんだけど、ルナ子はおじさんを信じてたから、ずっとシッポ振ってたのね。
すると、おじさんはもう一つのポケットの中から、サラミを取り出して、ハサミでチョキチョキ切って、ルナ子に食べさせてくれたの♪

「おじさん、自分のおつまみを分けてくれて、ありがとう!! 朝から幸せです! ごちそうさまでした!」
と挨拶したら、おじさんはニコニコしながら、
「いいんだ、いいんだ。サラミは犬も食べれるもんなー」
と楽しそうに、映画の話とか、いろいろしてくれたのよ。

その後、別れ際におじさんは、
「食べたら、サッサと、行きやがれ! このバカヤロウ!」
って、大声で叫んだもんだから、純子姉はまたビクビクしてたんだけど、ルナ子はもちろん、それがおじさん流の「さよなら、ワンちゃん。また会おうね」って言葉だって知ってたから、別れるのがすっごーーーーく名残惜しかったの。

おじさん、また、来てね♪
でも、次はサラミを切らないで、丸のままちょうだいね。
ルナ子からのお・ね・が・い♪
2007年2月11日
最近、純子姉は私のことを、「泥棒カー子ちゃん」って呼ぶのよ。

なんでかっていうと、この間、生ゴミの中のカニの食べカスを失敬したから…。
「生ゴミをあさって、散らかすなんて、からすのカー子と同じよ!
今日から、あんたのことは、カー子と呼ぶことにするわ!」
ですって!
だって、暖冬のせいか、食欲満々で、ドッグフードとおやつだけじゃ、
ものたりないのよぅ!

ワンコだって、グルメな食事がしたい!
珍しいものを食べたい!
お腹いっぱい食べたいのぅぅ!

私の目の前で、おいしいカニを食べておきながら、
私にほんの一口も食べさせてくれないなんて、ひどすぎると思いません?

あーん、ルナ子、お金持ちの家のセレブ犬に生まれたかったようぅ!

2007年1月20日
ルナ子です。

今日は純子姉に一泡吹かせてやりました!
純子姉ったら、いつもルナじいに、
「ポケットの中のジャーキーをちゃんと片付けないから、何度も何度もルナちゃんに洋服をズタズタにされるんでしょう?
 自分が学習しないのを棚にあげて、ルナちゃんを怒るのは可哀想よ!
 ルナちゃんは、「学習能力が足りないよー♪」って教えてくれてるだけよ。
 ルナちゃんが変わることを求めず、自分が変わりなさいよ!」
って、怒っているくせに、自分も学習能力なかったのよー♪

寒くなると、ルナ子はトイレが近くなるってわかってるのに、夜のトイレタイムを忘れちゃったの。

仕方ないから、お家の中で用を足させてもらったわ。
でも、「おしっこは、トイレシートの上でやるのよ」と昔教わったのを覚えてたから、ちゃんと、寝床のお布団の上にしたの。偉いでしょ?

なのに、純子姉もルナじいも、
「自分の寝床をびしょびしょにしちゃうなんて、どうして、あんたはそんなにバカなの!」
と怒るのよ。心外だわー。

でも、さすがに純子姉は、「バカ!」って一言怒った後、ハッとしたらしいわ。
「…私が学習能力なかったってことよね…。ルナ子を責める前に、自分が変わらないと、ダメよね…」
なんてぶつぶつ独り言をいいながらも、恨みがましい目つきをしながら、ずぶぬれの布団を片付けて、巨大な廊下の染みのお掃除をしていたわ。

うん。感心感心。
純子姉も、昔に比べて忍耐強く、心が広くなったじゃない。
エライエライ!
ルナ子が誉めてつかわそう♪

そして、今晩からは、トイレタイムは絶対忘れないのよ!
ちゃーんと学習するように!
相手(もちろん、ルナ子よ)に変わることを求める前に、まず、自分自身が変わることが肝心よ♪
ね、そうでしょ? 純子姉。

純「くっそー! ルナ子のやつ! 人の弱みにつけこみやがって!!」
2007年1月5日
 明けましておめでとうございます!

ルナ子は新年から大活躍です。
寂しく独りで新年を迎えた由紀子姉に、
「おめでとう!」
って挨拶してあげて、夜中に帰ってきた純子姉を寝ないで待っていて、
「お帰りー!!明けましておめでとう!」
ってちゃんとご挨拶できたのよ。

だから、姉たちからはご褒美に、いっぱいお節をもらいました。
栗きんとんでしょ、黒豆でしょ、伊達巻に、かまぼこに、えびにお肉!
おいしかったー!

よい子で新年を迎えたルナ子には神様もご褒美をいっぱいくれたの♪

まず、朝のお散歩にいったら、丁度近所のお家の屋根からご来光が出てくるところだったのよ。
その光がまぶしすぎて、光以外何も見えないの。
まるで「お日様まで続いている光の道」をお散歩しているようだったわ。
毎日お散歩には行くけれど、こんなすごい経験、ルナ子生まれてはじめて!
奇跡って案外、普通の日常の中に転がっているものなのねー。

午後には氏神さまに初詣に行ったのよ。
例年になく、ものすごく混んでたから、じいは、
「今までこんなに混んでたことはないのに…。今年はついてない。何が悪かったから、こんな混んでいる時間に当たったんだろう?」
って、ぶつぶつ言ってたけど…。
実はこれは、神様からルナ子へのご褒美だったの!
じっと我慢して順番を待っていたらね、ルナ子がナムナムしている時に、神主さんが祝詞を上げてくれたのよ♪
神様はルナ子を寿ぎたくて、神主さんが祝詞を上げる時間ぴったりにお参りできるよう行列を作っててくれたのねー。
神様ありがとー♪

でも、おじいは祝詞が嫌いみたい。祝詞を聞いた途端に、
「この間、寒い中ですごく長い祝詞を聞かされて辛かったんだ」
と嫌なことを思い出して、不機嫌そうな顔をしてたわ。
反対に純子姉は、
「今朝の日枝神社の祝詞、心が洗われたのよねー」
って、幸せそうな顔をしてたの。
不思議ね。
ナムナムの声は同じなのに、不幸になる人と幸せになる人がいるなんて…。

そして、夕方のお散歩の時には、近所のおばさんからこんな風に言われたの。
「ルナちゃん、あそこに珍しい鳥がきてるわ。きっと、幸せを運んでくる鳥よ」

あー、幸せな元旦だったー。
きっと、ルナ子にとって今年はいい年になるってことよ♪
あ、でも、幸せ太りしないように気をつけなくっちゃね!

皆さん、今年も大活躍のルナ子を応援してねー!


 氏神様に、ごあいさつしました♪