ひまわり先生のひとりごと

2003年8月


2003年8月25日

親友が「今年中に絶対、妊娠するぞ!」と子作り宣言をして以来、あれこれ相談にのっているうちに、すっかり、私の中でも、「妊娠、出産」がマイブームになってきた。
気分は丁度、「妻の妊娠を待ち望む夫」状態。

自分で言うのもなんだけど、私が「夫」だったら、すごくいい「夫」になりそう?!
先日は「妻」のために、水天宮までお札をもらいに行く熱の入れよう・・・。

ところで、知らなかったのだけど、水天宮って建礼門院を祀ってたんですね。
実は、おまいりに行く前日、「大原御幸」という建礼門院が出てくるお能の夢をみたもので、超ビックリ!
「これは、きっといい予兆よ!」
なんて、ニコニコしながら、お札とお守りを買って帰ってきた。

また、ちょっと前までは、本屋の出産育児のコーナーに立つのは、なんだかすごく気恥ずかしい気分だったのだけど、最近では、すっかり、平気で立ち読みもできるようになってきた。

この熱心さは、弟のところに姪っ子が生まれるときよりすごいので、妹からは、
「やっぱり、遠くにいる血縁より、身近な他人かしらねー」
なんて、笑われている。

でも、妹が妊娠・・・なんてことになったら(そんな予定、今は全くないけど)、私の場合、「夫」以上にすごいことになって、あれこれ世話を焼きそうだ。

・ ・・と妹に言ったら、
「確かに、確かに・・・」
と、大笑いしていた。

ところで、妊娠、出産、育児の本も、真剣に読んでみると、結構面白い!
いろいろな本を読み漁って、総合的に考えるに、たとえば、死の直前って、「人生の縮図」と言われているけれど、妊娠出産期も「お母さんと子供の人生の縮図なんじゃないか」という仮説が立てられそうな気がしてきた。
 
つまり、患者さんの生活を聞くと、「どういう死に方をする可能性が高いか」と予測がつくように、
「ああ、こういう妊娠期を送って、こういう出産を経験したお母さんと子供だと、こういう生活になるんじゃないか」
って、ある程度予測がつけられるんじゃないかなーって、こと。
逆にいえば、望む生活があるなら、それにふさわしい妊娠生活を心がければいいってことでもある気がする。

また、読み漁ったいろいろな本を総合して考えるに、胎児の能力のすごさは、科学の常識を超えているような気がする。
科学的、医学的根拠は横において、胎児といろんな形で向き合ったら、結構面白い体験ができるんじゃないかと、ワクワクする。
友人が妊娠したら、ぜひとも、確かめてみたいもんだ。
なので、目下、早く友人が妊娠してくれないかなーと、てぐすねを引いて待っている私なのであった。

2003年8月4日
いつも私の本のイラストを描いて下さっている「かとうゆみこ」さんが、世話役になって、沖縄の中学生、高校生による「沖縄の古典舞踊を取り入れたミュージカル」を上演するというので、見に行った。

すごく、パワフルで、生き生きとした舞台でとてもよかった!
劇団四季や、ロングランの「レ・ミゼラブル」も顔負けって感じ。
沖縄の古典舞踊が、見事に、現代の生バンドと融合しているところが、すごいと思った。
バンドも歌も、子供達がやってたの!

話の筋書きは、
「沖縄の現代っ子たちが、昔の沖縄の歴史上の人物の生き様を、夢の中で探検する」
って話。

テーマの中に、「武力と争いではない力で、平和を勝ち取ろう」という願いや、「郷土の歴史を大切にしよう。郷土の文化を受け継いでいこう」という思いが込められていた。

舞台をみていて、昔見た、高校演劇大会優勝作品の「隅田川」という舞台を思い出した。
こっちの劇の内容は、
「現代っ子が、お能の舞台となった隅田川の旧跡を訪ねて、歴史を紐解く」
という感じで、現代演劇に、古典を混ぜ、さらにミュージカル仕立てにした、まさに、先日の舞台と瓜二つの話だった。

こんな風に現代演劇の中に、古典芸能をどんどん取り入れていったら面白い舞台ができるような気がする。

たとえば、「夕鶴」の「つう」役や、「羽衣伝説」の「天女」役の動きには、お能を取り入れて、他を現代風にアレンジしたら、本当に、「この世のものではないものが、舞い降りてきたような感じ」に演出できそう!

現代っ子たちのパワーは、古典芸能の中に納まりきるものじゃない。かといって、古典芸能の世界は、変わっていくことをとても嫌うから、枠から外れたエネルギーは受け入れられないだろうし・・・。

そんな中で、今回の舞台みたいに、現代演劇の中に、古典芸能を取り入れれば、子供達らしく伸び伸び自由に演ずることが出来て、なおかつ、古典芸能の良さも生かすことができるような気がする!そして、古典芸能や歴史、そして、人の生き様を生きた形で学ぶことができるんじゃないかなー!!

そんな風に考えていると、なんだか、どんどんワクワクしてきた。

そういえば、お能で今の師匠についたとき、
「ああ、私はこういうことを中学、高校のときに教えてもらいたかったんだ!
 こういう技術を知ってたら、どんなにいい舞台ができただろうか。
 勉強より、何より、こういう技術を学んで演劇をやりたかった」
と、痛切に思ったことがあるけれど・・・。

多分、私の子供時代に、あれだけの舞台が作れるような技術指導をしてくれる先生が傍にいたら、絶対に、医者にはならず、演劇の道を進んでいたと思う。
 
医者になったことは後悔してないけれど、もし、もう一回人生をやり直せるなら、演劇をやりたいと思う。もし、できることなら、今回の人生で得た知識と感性を持ったまま、生まれ変わって、演劇ができたら、とっても楽しいのに!

もし、自分に子供がいて、その子が、演劇とかダンスが好きだったら、子供と一緒に、古典芸能と現代演劇をフュージョンさせて、なおかつ、命の大切さを伝えるような舞台づくりをしたかも・・・と思う今日この頃。